ブレッソンといえば、撮影時の構図の構成の大事さを説き、後からトリミングで構図を修正することを戒めた発言で有名ですが、
構図などにかまっていると、一瞬の出来事を撮影し損ねる、町の面白い出来事を撮影するストリート写真では、トリミングを躊躇なく行っていました
Should I Crop My Photos?
ブレッソンがカメラを買い替える話を聞き、彼のお古のライカを譲ってもらったアメリカのウィリアム・クラインは、ニューヨーク、ローマ、ソ連、日本の町と人々の撮影で28mmを標準レンズとして用いていた話は広く知られていますが
28mmで構図も定めず広く撮影して、後からトリミングで必要な部分を取り出す、ブレボケアレにはこだわらないを、ストリートスナップでは基本としていましたが
同時期の彼は高級ファッション誌Vogueの専属カメラマンもやっていて、ファッション誌の撮影では、中判に望遠レンズが彼の「標準」レンズでした
またファッション誌での撮影では、構図をしっかり決め、ピントもきっちり、トリミングもあまりしない方向で撮影していました
というわけで、クライン=広角28ミリ男というのは、町の生活を記録するストリートスナップを撮るときのスタイルで、
ほかのジャンルでは、まったく違うスタイルがクラインの標準でした
というわけで、ブレッソンが、構図は撮影時にきちんと決めることが大事だと話していたことも、ほかのもっとゆっくり時間の取れるジャンルでの撮影の心構えを言っていたのが、一瞬を争うストリートスナップでの撮影のルールのように解釈されることが多かったことに気を付けましょう
じっくり撮影する時間のない街での、とっさの瞬間を撮影する、ストリート写真では、後からトリミングで構図を整えた写真家のほうが多い
Are These Photographers Cheating?
Dec 17, 2018
https://petapixel.com/2018/12/17/are-these-photographers-cheating/
どうもアマチュア写真家は、この辺をこんがらがっている人が多いですけど
*日本ではブレッソンの1947年以前に撮影した写真なら、日本の旧著作権での写真の著作権が、公表後13年+第二次世界大戦の講和条約で連合国の著作は10年延長だったので、著作権切れとなっている可能性が大です
フランスのストリート写真家カルティエ・ブレッソンHenri Cartier-Bresson(1908-2004)と、50mm標準レンズ:ストリートスナップ撮影とレンズ選び
森山大道、写真はアートであってはならないという発言の本音:写真はアート手法の一つとしたウィリアム・クラインと共同展覧会を開いている事実